溶接作業は危険が伴い、事故を防止するためにも資格を取得するべきです。
資格の種類はいくつかあり、作業内容により取得すべき資格が異なるため理解しておきましょう。
本記事では溶接作業の資格について、種類や難易度について解説していきます。
溶接作業を行う際、資格が必要な場合と不要な場合があります。
個人がDIYのために溶接作業する分には資格は必要ありません。
ただし、特定の設備や構造物に関わる溶接作業、事業所で業務として溶接作業を行う場合は、公認の資格が必要です。
溶接作業に関係する資格は複数あり、資格取得の難易度はそれぞれ異なります。
アーク溶接は溶接作業の中でも主流の方法です。放電現象を用いて溶接を行います。
作業を行うには「アーク溶接作業者」の資格が必要です。
資格取得のためには「アーク溶接等の業務に係る特別教育」の講習を3日間全21時間受講します。
試験などはなく、講習を受講するだけなので資格取得は簡単だといえます。
ガス溶接は、ガスを燃焼させて発生する高熱を利用し金属を溶接します。
業務を行うには「ガス溶接技能者」の資格を取得する必要があります。
資格は「ガス溶接技能講習」で学科と実技の講習を受講し学科修了試験に受かると取得できます。
試験は4割以上が合格ラインとされているため、比較的簡単に資格を取得できるでしょう。
アルミニウム溶接は、アルミニウムの特性に対応した溶接技術を有します。
そのため、「アルミニウム溶接技能者」の資格がなければ業務を行うことができません。
また、資格は「基本級」「専門級」の2種類があり、学科試験と実技試験にクリアすることで取得できます。
専門級の場合は基本級の資格を取得していることが条件となります。
ボイラー溶接士は、ボイラー溶接作業を行うために必要な資格です。
安全性が重要とされる分野であるため、ボイラー溶接士の資格は国家試験となっています。
ボイラー溶接士は「普通ボイラー溶接士」「特別ボイラー溶接士」の2種類で、普通ボイラー溶接士はフランジや管台など簡単な溶接のみ、特別ボイラー溶接士はボイラー溶接に関わる全ての業務が行えます。
近年の合格率は普通ボイラー溶接士で50〜60%、特別ボイラー溶接士で70〜90%程度です。
溶接作業指導者は、溶接業務に関する指導を行うための資格で、日本溶接協会が定めています。
3日間の講習を受講し、筆記試験に合格すれば資格を取得できます。
合格率は100%に近いといわれており、資格取得難易度は低いといえます。