様々な業界において、製造工場のシステム化や省力化・省人化といった事業戦略を実現する上で、溶接ロボットのような産業用ロボットの導入は重要でしょう。しかし、溶接ロボット導入には初期コストがかかるため、経済的リスクを抱える恐れもあります。
このページでは、溶接ロボット導入に活用できる補助金・助成金などについてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
事業再構築補助金は、経済産業省の下部組織として中小企業庁が実施している補助金です。コロナ禍で様々な制約を受けてしまった国内の企業に対して、ポストコロナ・ウィズコロナの時代に向けて事業の再構築を行おうとする取り組みを支援する目的でスタートされました。
補助金上限は1億円となっており、補助金の対象エリアも日本全国となっています。従業員数に関する規定もないため、少人数の事業所であっても条件次第で補助金を利用することが可能です。
なお、事業再構築補助金は経済産業省の予算にもとづいて実施されており、令和4年度までは補助金の実施が決められています。しかしいつまでも制度が維持されるという確証はないため、可能な限り速やかに申請して受給可否を確認するようにしてください。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)は全国中小企業団体中央会が実施している補助金であり、最大3千万円(あるいは1千万円)までの経済支援を受けることが可能です。
ものづくり補助金は、文字通り日本のものづくり業界を支援するために実施されている制度であり、溶接ロボットのような産業用ロボットの導入についても活用することができます。
補助率は原則として1/2(小規模事業者は2/3)となっており、溶接ロボットの導入コストの半分以上を補助金でペイできることは重要でしょう。
申請には事業計画書や決算書といった書類が必要であり、申請者に対して補助金の活用に適しているか技術面や事業化面、政策面などの審査が実施されます。
国や国の関連機関が主体となって運用している補助金の他にも、日本全国の地方自治体ではそれぞれ地元企業の活性化や産業振興を目的として、様々な補助金・助成金などを用意していることがあります。
どのような条件で補助金や助成金が支払われて、あるいはどれくらいの規模の金額や補助率になるのかといった点は、それぞれの自治体において決められており、まずは自社が利用できる制度があるか事前に確認しておきましょう。
なお、市町村に補助金や助成金がなくとも、都道府県の補助金や助成金などを利用できる場合はあります。
補助金を申請する際には、正しい手順や理解を前提として手続きをする必要があります。適切な申請を行えなければ補助金の受給が認められない場合もあるため、まずは基本的なポイントを把握しておきましょう。
補助金や助成金といった経済支援は、全てそれぞれに制度趣旨や支援目的が定められています。そのため、それらの趣旨に反した目的の事業に対して支払われることはありません。
溶接ロボットの導入について利用できる補助金なのか、また自社の従業員規模や売上高などは補助対象の条件に合致しているのかなど、情報を正確に把握しておくことが欠かせないポイントです。
補助金は申請を行ったからといって、即座に支払われるわけではありません。
一般的に、補助金の申請を行った後は、申請者が条件に適しているのか審査が行われます。また、審査に合格しても、実際に資金が支払われるまでにはタイムラグが生じます。加えて補助金が先払いなのか、後払いなのかという点も重要です。
申請から受給までのフローを最初に考えておくことが大切です。
申請のために提出する書類には様々なものがありますが、中には事業計画や補助金の利用目的などを説明するための資料もあるでしょう。
そのような時、審査する相手が分かりやすく理解できる内容や書き方を意識することが必要です。
たとえどれだけ理想的な計画を練っても、審査する側に伝えられなければ意味がありません。補助金を使ってどのようなことをしたいのか、溶接ロボットを導入することで自社にとってどのようなメリットや将来性が期待できるのか、正しく熱意や必要性を伝えられる文章を意識してください。
溶接ロボットのような産業用ロボットの導入には大きな費用がかかるため、活用できる補助金や助成金はぜひ活用していきたいものです。ただし、公金などを原資として運用される補助金にはきちんとした制度趣旨や目的が定められており、自社が申請を検討している補助金・助成金について、事前にしっかりと内容を確認して自社との適性や必要性などを理解するようにしてください。