産業用ロボットは固定資産として、減価償却対象物になります。耐用年数によって減価償却も変わってくるので、耐用年数と減価償却それぞれについてしっかりと理解しておくことが大切です。
耐用年数とは、減価償却対象物が、利用に耐えうるとされる年数の事。一般的には、財務省が定めた法定耐用年数が指針として使われています。ただ、費用を計上する期間は導入企業が設定することができます。
とはいえ、設定によっては計算上の数字と実際の税金に差異がでることもあり、会計処理が複雑になってしまうので注意が必要です。
産業用ロボットは固定資産になりますので、費用収益対応の原則からも、その取得にかかった費用全額を導入年の費用にはしないで、利用した期間に応じて計上します。
導入年に全額費用を計上してしまうと、たとえ年間収益が平年と変わらなくても、翌年からの利益が増大。企業が軽々状況を計ることが難しくなるなど、決算や財務分析、キャッシュ・フローに影響を与えます。
定額法は、購入金額を毎年同じ金額で耐用年数期間に償却していく計算方法。その計算式は「購入金額÷耐用年数=減価償却費」。計上金額が毎年変わらないのでわかりやすく、償却金額も一定で複雑な処理を必要としないので、資金計画も立てやすくなります。
ちなみに、帳簿上に備忘価格として残すため、最後の年は「1円」として残します。
定率法は、残っている資産価値を一定の割合で償却する計算方法。最初の償却額は大きいですが、残存価格が下がる事からも年々償却額も下がっていきます。
計算式は「購入金額(残存価格)×償却率=減価償却費」です。
費用を大きく計上できるので、その分利益が小さくなることからも、税金対策として使われることもあります。
産業ロボットは高額ですから、購入するとなると大変な出費になります。必要な導入とはいえ、投資額をどのように回収していくのか念入りなプランを作っておくと安心です。
また、国や自治体の補助金制度が適用される場合もあるので、エリア内で可能かどうか調べておくのがおすすめです。制度の利用には事業計画書の提出が必要なので、減価償却の計算や回収プランなどと一緒に忘れないように準備しておきましょう。