溶接ロボットが決められた行動通りに動くようにプログラムするティーチング。ティーチングの人材不足を解消する、優れた技術が開発・導入されてきています。
ティーチングとは、産業用ロボットの動作プログラムの作成作業をいい、教示もしくは表示作業とも呼ばれています。運動技能のプログラミングやカスタマイズをおこなうわけですが、この作成作業は誰でもできるわけではありません。産業用ロボットへの教示当作業者としての特別教育を受けた資格保有者・ティーチングマンだけです。
ティーチングで溶接動作や移動するための空走動作、位置を微調整するセンシング動作など、各動作に応じた適切なプログラミングを溶接ロボットに記憶させることで、溶接作業にかかる時間や労力を効率化。
導入費用はかかりますが、安定した作業と機械だけに作業環境を選ばない良さから、膨大な工数や人件費の改善がはかれます。
PC上のシミュレータでティーチングをおこない、溶接ロボットにデータを読み込ませる方法です。工数も比較的少なく、そのプログラムの作成方法にはシミュレータ型・エミュレータ型・テキスト型・自動ティーチングシステムとあります。
実機での調整は必要になりますが実際のワークが不要なので、試作機や次期型に当てはめて使えるといったメリットもあります。
パソコン上で、CADデータを用いてティーチングデータを自動で生成する方法です。自動化で便利な反面、高度なシステム設計が必要で、適応範囲も限定されています。また、CADデータの使用から実機での調整が必要になる場合もあります。
ちなみに、最近ではAIを搭載したティーチングレスの導入も進んでおり、細かい調整などへの対応が可能になってきています。
ティーチングにはオフラインティーチングや自動ティーチング以外にもさまざまな方法があります。ペンダントで実機を操作しながら溶接箇所を記憶させていくオンラインティーチングや、ロボット本体を手動で動かして動作過程を記憶させていくダイレクトティーチングなども。特にオンラインティーチングは定番ともいえる方法です。
FA化が進み産業用ロボットへの需要が高くなってきていますが、ティーチングが可能な人材は不足しています。そのため、ティーチングの効率化を叶える技術の導入は必須。
ティーチングに伴うロスを少なくする方法としては、オフラインティーチングや自動ティーチング、システムの仕様・構築まで対応できるSIerなどが挙げられます。