豊富な機能を持つ溶接ロボットを取り扱う産業用ロボットメーカー、ダイヘンを調査しました。
取り扱っている溶接ロボットやSIer、会社の特徴などについて紹介しています。
FD-B4S | 垂直多関節構造になっている、ケーブル内蔵型の7軸ロボットです。最大10kgのアーム可搬重量が設定されている上、操作が難しいとされる7軸ロボットの作業もシンクロモーション技術によって安心して手動操作できます。 |
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FD-V6S | シンクロモーション技術によって、7軸ロボットで複雑になりがちな操作も簡単に手動で行えることが特徴です。様々な用途に使える溶接ロボットであり、7軸目に溶接パワーケーブルを内蔵してワークや治具との干渉も防ぎます。 |
FD-B4LS | 作業用のアームが長めに設定されているロングタイプのケーブル内蔵型7軸ロボットです。シンクロモーション技術による操作性はそのままに、アームを長くしたことで小物から大型のワークまで幅広く対応することができます。 |
FD-V6LS | FD-B4LSと同様にロングタイプのケーブル内蔵型7軸ロボットですが、手首可搬重量が最大6kg、上腕アーム可搬質量が最大20kgに強化されています。そのため、FD-B4LSよりさらに重いワークを操作できることが特徴です。 |
FD-B4 | ロボット内部にケーブルを収納することで、作業時にケーブルが引っかかるとトラブルのリスクを根本的に解消しました。また、シンプルかつスリム形状のアームによって、操作スペースが限られている空間にも設置できます。 |
FD-V6 | FD-B4の上位機種として、本体質量が約10kgも軽量化されていると同時に、手首可搬重量が最大6kg(2kg増)となっていることが特徴です。旋回エリアが縮小されており、狭い場所でもロボットを設置することが可能です。 |
FD-B4L | シンプル・スリム形状のアームが採用されたFD-B4から、さらにアームの長さを調整されたロングアームタイプとなっています。ケーブル内蔵型としてリスクをコントロールしながら、小物から大サイズのワークまで適応します。 |
FD-V6L | FD-V6のロングアームタイプです。ロボット機種間にあるモーターを共有化することで保守管理を簡単にしており、省スペース化にも成功しました。手首可搬重量が最大6kg、上腕アーム可搬重量が最大20kgとなっています。 |
FD-H5 | 省スペース化を追求したコンパクト設計の溶接ロボットです。本体質量が58kgとサイズは小さいものの、手首可搬質量は最大5kgに設定されており、狭い場所でもスムーズかつ簡単に操作しやすいことがポイントです。 |
FD-S3 | 本体質量31kgという、スリムでコンパクトな設計コンセプトを与えられている垂直多関節構造ロボットであり、設置や移動が簡単になりました。またキャリッジレールと組み合わせて、長尺のワークへ対応させることもできます。 |
FD-G3 | コンパクトな本体でありながら、上腕アーム可搬重量が最大40kgで、さらにアームの動作範囲を広く保てるように設計されています。壁際に設置したり棚に置いたりと、ロボットを置く自由度も高まっていることが特徴です。 |
FD-B15 | ケーブル内蔵型の6軸ロボットです。手首可搬重量が最大15kgとなっており、重量のあるワークでも安心して対応します。天吊り仕様にすれば一層に動作範囲を拡大できるため、大型構造物のオートメーション化にも適しています。 |
FD-V20 | シンプルな設計によって操作性にも配慮されている上、手首可搬重量と上腕アーム可搬重量がともに最大20kgとなっていることが特徴です。軽量物をスムーズにハンドリングしたい場合などに適している6軸ロボットです。 |
FD-V20S | FD-V20の上位グレード機種であり、垂直多関節構造の7軸ロボットとなっています。複雑な機構をシンクロモーション技術によってコントロールすることで、手動操作を簡単に行えるように調整されていることが強みです。 |
FD-V20A | 溶接作業時の精度を高められるように、直線動作や円弧軌跡動作の性能を追求された垂直多関節形6軸ロボットです。レーザー加工やプラズマ溶接、TIGといった精密作業が必要とされる環境において適しているとされています。 |
FD-V50 | 手首可搬重量が最大50kgでありながら、ロボットの本体質量が640kgと比較的軽量に抑えられているスリムボディの垂直多関節形6軸ロボットです。多種多様なワークのハンドリングをスピーディに行うことができます。 |
FD-V166 | 高速性を追求しつつ、保全作業の低減や環境負荷の低減といった環境面の影響にも配慮されているロボットです。複数のロボットを高密度に設置することで、ライン全体を圧縮しつつ作業効率を高めて設備費の低減を支えます。 |
FD-V210 | FD-V166の上位グレードとして、手首可搬重量が最大166kgから最大210kgに拡張されました。これにより、一層に大型のワークを取り扱う環境であっても、高密度設置による効率化を実現してコストパフォーマンスを高めます。 |
ロボットコントローラー FD11 | 省エネタイマー機能やサーボオフ機能などの節電モードを搭載したロボットコントローラーです。内蔵部品の数を3割減とすることで従来機よりも体積を20%減らしており、本体上方の空間を広く使えるようになりました。 |
ダイヘンの溶接ロボットは、可搬質量3~6kgのものから、15~50kgの中可搬のもの、166~210kgの高可搬のものまで取りそろえてあります。
7つの関節で構成されているロボットも提案しており、柔軟な姿勢での作業が可能です。
シンプルかつコンパクトで設置が簡単なものや、ハンドリング用途に適しているもの、多彩なアプリケーションに対応できるものなど、様々なニーズに応えるロボットを提供。
またロボット以外では、ティーチペンダントやロボット用センサ、治具類、溶接周辺機器、PCソフトウェアといった、生産の効率化に役立つ様々な製品を扱っているのも特徴です。
ダイヘンは変圧器の多量生産を行う企業として1919年に創立しました。
その後、溶接機や産業用ロボット、半導体製造装置用高周波電源などを開発・製造。ものづくり業界を盛り上げてきた企業のひとつです。
そして現在は、長年の経験を活かし、社会的な課題解決に貢献できるよう研究・開発を進めています。
生活環境の低炭素化を目指す「Green開発」や、ティーチングをなくしたり充電作業をなくしたりするなどして、モノづくりに携わる人たちをサポート。
自然にも働く人にも優しい環境づくりを行っているメーカーです。
ダイヘンのグループ会社「ダイヘンテクノス」は、溶接技術の習得を目指せるオンラインスクールを開催しています。
初級から中級技術者向けのカリキュラムや溶接技能者評価試験受験者講座など、ニーズに合わせて受講可能です。
危険を伴う作業だからこそ、適切な知識と技術により、安全な作業環境を実現したいもの。
オンラインスクールを利用すれば、自社に教育環境が整っていない場合でも学ぶ機会を用意することができます。
京二は1946年設立の企業であり、東日本を中心に事業拠点を展開しています。
京二にはロボットを導入したことのない企業であっても、安心して適切なロボット導入を進められるようにと「ロボット推進室」が設置されており、ダイヘンを含めて適切なロボットの導入プランを提案してくれることが特徴です。また、京二はFA・ロボットシステムインテグレータ協会へ加入しており、導入後のフォローまで安心して任せられることも見逃せません。
1978年に創業された五誠機械産業は佐賀県に本社を置くSIerであり、九州エリアを中心として企業のロボット導入を支援しています。
2018年には九州ロボットセンターを開設し、エンジニアを目指す若者や学生が実際にロボットへ触れて経験を積めるようセミナーや講習会などを積極的に開催していることも特徴です。また、五誠機械産業は環境マネジメントの国際認証ISO14001を取得しており、環境に配慮した導入プランを提案してもらえます。
大晃機械製作所は1951年に創業した企業であり、70年以上にわたって自動車業界や電力業界のクライアントへ設備機器やロボットシステムの導入などをサポートしてきました。単に溶接ロボットの導入を斡旋するだけでなく、各企業の作業環境や作業員のスキル、クライアントのニーズなどを考慮してシステム環境をプランニングしてもらえるため、初めての導入でも安心感があります。
その他、国内のどのエリアでも均一サービスを受けられることは重要です。
三葉電熔社はダイヘンの製品などを中心として、溶接ロボットの導入プランを一から構築してくれます。また、ロボット導入用のプランをベースとして、費用対効果の算出や前後工程のフローを構築するなど、クライアントごとの経営コンサルティングまでを一括でカバーしてもらえることも強みです。
ロボット導入後のサポートやティーチングも提供しており、これからエンジニアの育成や技術向上を目指したい企業にもメリットがあります。
溶接ロボットSIer
(システムインテグレータ)
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鉄道部品の製造を行うKPファクトリー株式会社では、高温下で高品質な作業を継続しなければならない溶接職人の負担軽減を考える一方、ベテラン社員にしか任せられない状態が続いており、企業の未来を考えた時に課題となっていました。そこで垂直多関節ロボットとポジショナーを導入したところ、一連の作業をシステム化することに成功し、大幅な作業時間の短縮に成功しました。また、ロボット操作を若手社員が行えるようになり、熟練職人から若手人材への業務置換を達成したことも成果です。
株式会社田名部製作所では小ロット多品種の板金加工を行っており、溶接も重要な工程の1つでした。しかし従来のロボットでは十分な品質を維持できず、導入が遅れていました。ところが7軸の溶接ロボットが現れたことで、これまでの6軸ロボットでは実現できなかった溶接姿勢や汎用性が確保され、いよいよロボット導入を進めることに成功したそうです。結果的に重量物の溶接加工などで従業員の負担が軽減し、作業もスムーズに進められるようになり生産性が1.5倍まで拡大しました。
多種多様な部品の溶接作業を行う株式会社ホーユーウエルディングでは、クライアントによって溶接対象が異なるため、一律のロボット化は困難と思われていました。しかし中には人力の溶接が困難な依頼もあり、改めてSIerに相談してロボット導入を検討したそうです。
結果的に、クレーン作業と連携できる専用2軸ポジショナーを開発したことで少量多品種対応可能な溶接ロボットシステムが完成し、求められる品質レベルを維持したまま生産性を向上することにも成功しました。